日光がなぜ結核など感染症に効くのか、
その仕組みがわかったのは、最近のことです。
日光を浴びると、その成分である紫外線(UVB)によって
皮膚で「ビタミンD」が作られます。
そして、このビタミンDには、
微生物と戦う「抗微生物ペプチド」を作る働きがあります。
※ペプチドとは二個以上のアミノ酸がくっついた化合物
微生物と戦うペプチドには、何種類かあります。
その中でも強力なものが「カテリシジン」。
ビタミンDは、皮膚でカテリシジンを作って、
皮膚を微生物から守ってくれます。
その他にもビタミンDは血液に乗って、
肝臓を通って、マクロファージという細胞に入り、
マクロファージの内部でも、カテリシジンを作ります。
マクロファージとは、
カラダを外敵から守ってくれる白血球の一種。
アメーバのように動き回って、死んだ細胞や
大きめのバイ菌を食べるパックマンです。
体中のゴミを片づけてくれる、おそうじ屋さんで
「貪食細胞」と呼ばれます。
カラダが‟炎症”を起こしているときに活発に働いてくれます。
マクロファージが、内部にこの「カテリシジン」を持つことで
微生物を殺傷する能力が強くなるのです。
これが日光を浴びると、バイ菌と戦う力が強くなる仕組みです。
お日様の光が、感染症を撃退するわけです。
太陽による「病魔退散!!」ですね。
結核は現在でも国内で2万人を超える患者がいるので
安心できないと言われますが、
結核患者は健常者より、血中のビタミンD濃度が
低いことがわかっています。
また、血中のビタミンD濃度が低いと
結核にかかりやすいこともわかっています。
日光不足=ビタミンD不足=カテリシジン不足
マクロファージの殺傷能力が弱まり→結核菌が繁殖
これを防ぐためにも、健常者にせよ、結核患者にせよ、
日光を浴びた方がいいわけです。
※重症の結核患者の方に抗生剤を使うなと言っているわけではありません
日光浴で、皮膚がんのリスクを心配する人がいます。
やけどするほどの日焼けはよくありませんが、
太陽光(UVB)の照射率が高い地域の人や、
ビタミンDの血中濃度が高い人では、
「皮膚がんと膵がん以外」
※膵がんについてはビタミンDが良い・悪い両方のデータがある
の大腸がん、乳がん、肺がん、胃がん、前立腺がんなど、
ガン死亡に関わるほとんどのがんの発生率と
再発率が低いことが多くの研究でわかっています。
お日様の光(UVB)が、私たちの健康を守っている、、、
まさに、天の恵みに感謝ですね。