中村哲医師の死に想う ニュースの読み方(3)

今回の中村医師の殺害犯人に関して

12月初旬までに2人が逮捕されていながらも、

マスコミはいまだに犯人像や動機がつかめないでいます。

いつもなら、「アルカイダの犯行だ」「ISがやった」

「反政府組織だ」などと報道され、

終わりとなるパターンが多いのですが

今回は事情が違うようです。

最近になって、国内でも事件の犯人像について

一歩踏み込んだ報道もされるようになっています。

中村医師が地元の水利権に絡む勢力によって

殺害されたとの見方です。

地元の州政府や警察には『中村医師が危ない』という情報が

繰り返し寄せられ、それは本人にも伝わっていたそうです。

またイギリスBBC放送も

「彼が殺されたのは水関連の仕事によるもの」と

地元州知事の発言を取り上げ、犯人像を示唆する報道をしています。

しかし、ここで欧米や日本、インドも含む大手マスコミ報道が

けっして触れようとしない重要な点に目を向ける必要があります。

「麻薬」です。

アフガン紛争で荒廃後のアフガンは、

世界のケシ生産を引き受ける一大産地で有名です。

イスラム過激派の重要な資金源になっていた麻薬利権。

これについては、中村医師もよく知っており、

人々が麻薬を栽培せずに真っ当な農業で生活できるように

と、麻薬栽培の横行に心を痛めていました。

灌漑施設の建設の目的も、その撤廃にあったようです。

水利権というより、麻薬利権が関係していた可能性を

言及するのが妥当ではないでしょうか。

ここで言う麻薬とは、「ケシ」のことですが、

ケシが必要とされる背景はいろいろあります。

まず、ケシ栽培はイスラム過激派の資金源であるだけでなく、

その莫大な利益を手にするのは、

過激派に武器や資金を提供するCIA

以前から、CIAの活動資金の大半は

麻薬取引によるものと言われます。

アメリカの裏権力にとって、アフガンはケシの一大産地に

留めておく必要のある国家であり、そのためにアメリカは

長年、軍を駐留させています。

また世界には、ケシを必要とする産業があります。

現代医療です。

ケシから作られるアヘンやモルヒネは

ブラックマーケットから麻薬使用者へ流れる一方、

外科手術の麻酔や鎮痛剤の原料として、必需品です。

中村医師のしていた人道支援活動は、

現地で麻薬利権に生活を頼る者から、その背後にある

アメリカの裏権力や世界規模の医療利権まで、

これらの大きな力と、真っ向から対立するものだったのです。

How Opium Greed Is Keeping US Troops in Afghanistan | Brainwash Update

ロシアトゥデイ・ニュース アメリカ軍がアフガンに駐留し続ける本当の理由は「アヘン」

https://www.youtube.com/watch?time_continue=196&v=qME6Ta9InY4&feature=emb_logo

Afghan drug trafficking brings US $50 billion a year

アメリカが年間500億ドル稼ぐアフガンにおける麻薬不正取引

https://www.youtube.com/watch?v=cRVZTMHen_E