銅ってどういいの?

金や銀や銅といった貴金属には抗菌性があり、

古代より重宝されてきました。

金も銀も銅もその美しさから

宝飾品に用いられてきましたが

これらの金属はどれも、

その他に多大な健康効果も持ちます。

今回は銅についてのお話です。

銅は10円玉にも使われるほど、

ありふれた金属です。

しかし、

字に書いて「金と同じ」とあるように

金のように高い抗菌性と有用性を持つものです。

人類の銅の使用の歴史は古く、

紀元前9000年の中東で利用され始めたと推測されます。

紀元前2400年の古代エジプト文化では、

銅は傷の治療や飲料水の殺菌のために利用され、

後に頭痛、火傷、かゆみの治療にも用いられた

ことがわかっています。

他に、現代でも利用されている銅の例として、

インドやスリランカに伝わる伝統医学の

アーユルヴェーダでは、

朝起きに銅のタン・クリーナー(舌掃除)で

舌苔をこそぎ取って口中を清潔にしてから

銅の容器に一晩くみ置きした水

(最低8時間以上漬け、「タマラ ジャル」と呼ばれる)

を一杯飲むことが、健康維持に役立つとされ、

今でも多くの人に重宝されています。

銅には抗酸化作用や除菌作用があるため、

銅の容器で保存した水は、

細菌やバクテリアが除菌され、

長期保存に向きます。

10円玉を金魚鉢や花瓶に入れておくと

水がきれいに長持ちするのは、

よく知られていますね。

その他にも健康増進作用として、

腸の働きを促し、便通を良くしたり、

さらには心臓の調子を整える働きまで持つとされます。

ここで、銅の持つ健康効果をまとめてみます。

1.バクテリアを殺す
2.脳を刺激する
3.甲状腺の働きを制御する
4.リウマチや関節の炎症を抑える
5.肌の健康とメラニンの生成作用
6.老化の抑制
7.消化の働きを助ける
8.体重を増加を防ぐ
9.貧血の防止
10.傷の治癒を早める

銅はヒトだけでなく、

動植物にとっても重要なミネラルです。

特にヒトに関しては、

血液のヘモグロビン合成に不可欠です。

ヘモグロビン自体に銅は存在しませんが

合成過程で必要とされるのです。

人体には体重1 kgあたり

1.4~2.1 mgの銅が含まれます。

食物や水から取り込まれた銅は、

腸から吸収され、その後肝臓に送られます。

銅の抗菌効果は、数々の研究で

A型インフルエンザウイルスや

風邪のアデノウイルスといった

ウイルスだけでなく、

広範囲の細菌やバクテリアに対しても

殺菌する能力を持つことがわかっています。

ヒトにおいては、体内の銅の吸収と排出を

管理するシステムが働くため、

銅の過剰症は通常、起こらないとされます。

一方で、鉄を細胞に取り込むためには

銅の還元作用が必要とされます。

そのため、銅が不足すると、

鉄の吸収量が低下し、貧血や成長障害や

免疫低下から感染症にかかりやすくなることがあります。

ただ、銅の必要量はそれほど多くなく、

また、食品にも豊富に存在するため、

銅欠乏が起きることは稀といわれます。

また、サプリメントで亜鉛を摂りすぎている場合、

銅の吸収が阻害されることがあります。

亜鉛サプリを摂る場合には、

銅の補給も心がけると良いでしょう。

亜鉛サプリに微量の銅を加えたサプリメントもあります。

また、銅製のコップに保存した水を飲むことも有効です。