家族の中にこそ、愛を! 根源的な健康論

人間はココロの動物。
ヒトが健康であるか、病気であるかは
心が大きく作用します。

「低体温にならないライフスタイル」という記事
-ほとんどの病気の原因は、
交感神経の緊張からくる低体温
と書きましたが
その交感神経の緊張のほとんどは
心の緊張からくるものです。

それは、仕事のストレスだったり、
人間関係の不和からくるものだったり
経済的な不安からくるものだったり
将来への不安からくるものだったり
します。

交感神経の緊張が続く状態は、
常に「闘争モード」であり、
「野獣モード」
人間としての「心」がない状態。
心が冷たい状態です。

当然、それはカラダの方も冷たい状態、
血行が悪く、低体温になります。

心理的には
いつも、誰かや何かと闘っている感覚です。

その他にも、
いつも何かに不満な状態
いつも何かに焦っている状態
いつも何かにイライラした状態
いつも何かから逃げている状態
いつも何かをコントロールしなければという強迫的な感覚
これらも、交感神経が緊張した状態です。

本来、闘争本能や
交感神経の緊張状態は、
スポーツや研究、創作活動や仕事というように
健全な形で発揮されてこそ
意味があることです。

それが、間違った方向にそれが向かうと
自分にも、人にも病気や不幸をもたらします。

なかでも一番間違った闘争本能は
それが、身近な夫婦や家族に向かってしまうときです。

警察庁のまとめによると、殺人事件のうち、
親族間で起きたものは53.5%(2013年)。
半数以上が“家族同士の殺し合い”です。

他の国でも親族間の殺人はかなりの割合を占めるようです。

国内の殺人事件は全体的に戦後、1950年代から減少し続け、
1990年代以降1100~1250件程度とほぼ横ばいになり、
2009年以降はさらに減って1000件以下となっています。
社会が落ち着いてくると、人々の気持ちも落ち着き
暴力や殺人など野蛮な行為が減ってくるようです。

しかし、ここ最近の日本の家族間の争いについては
事情が異なります。

警察庁のデータでは
親族間の殺人は、2003年までの過去25年、
全体の40%前後で推移してきたものが、
2004年に45.5%に上昇。
以降、この10年間でさらに10ポイント近く上昇、
2012年、2013年には53.5%まで増加。

著名な犯罪精神病理学者によれば、
近年の増加の背景は
「超高齢化による老老介護」や
「長引く不況による経済的困窮」といった原因もあるにせよ
親族間殺人は、もっと根元的な問題といいます。

家族は他人よりも圧倒的に近い距離にいるため、
相手が自分をわかってくれて当然という甘えがあります。
そこで、相手がわかってくれないときに
『なぜわかってくれないのか』と不満を抱きやすく、
その甘えが満たされなかったとき、
不満や怒りや憎しみが、他人相手より増大してしまうのです。

意見の相違があるとき、身近な相手、
家族や親しい友人であるほど
それが許せない感覚に陥ってしまう、
これは誰しも体験したことがあるかとおもいます。

近年は若者による「親殺し」が目立ちます。
2006年に奈良県で起きた事件では、
16歳の長男が父親を殺そうと自宅に放火、
結果的には父でなく、継母と異母弟妹の3人の方を
焼死させてしまいました。
この事件の背景には、彼の父親が医師で、
自分と同じ医師にさせようと、
父親が長男に勉強を強要し、
学校のテストの結果が悪いたびに
度重なる暴力を長男に振るっていたという事情がありました。

私の知人も幼少期から医師である父親に、
医師になるように強要され、
姉とともに猛勉強を強いられ、少しでも反抗しようものなら
ちゃぶ台返しは日常茶飯事、
電話機を投げつけられることもあったそうです。
度重なる暴力に対し、彼と姉は共謀し、
小学校のときには、
父親の味噌汁に毒を盛って殺すことを
本気で計画したこともあったと聞きました。

いくら自分の子どもだといっても、
子どもも一人の人間です。
所有物のように、その意思に反して
思い通りにさせることは親にもできません。
(ある程度のしつけは必要ですが)

また、家族の一員が傷つくことがあったとき
他人や社会の目、世間体を気にして、
子どもや家族を責めるのでなく、
そんな時にこそ気持ちを寄せる、
寄り添ってあげるのが家族ではないでしょうか。

もちろん、世界平和や環境問題も大事です。
最近は、第3次世界大戦がいつ起きてもおかしくない、
そんなことも耳にします。

しかし、思い出してください。
戦争を除けば、
殺人事件の半数以上は家族内で起きています。

私の周りを見渡しても、
夫婦仲が本当に良いと見えるのは
10組に1組ほど。
これが、正直な感想です。

家族に本来の平穏が訪れるためには何が必要なのか、
問われる時代になっています。

家族内、夫婦間にこそ、
より一層の愛や
優しさが求められているように感じます。