インフルエンザより怖いものって?

インフルエンザの季節、感染を心配する人も

多いのではないでしょうか?

インフルエンザは、

インフルエンザという病気が怖いのではなく、

「インフルエンザを危険視する考え方」

が危険なのかもしれません。

その結果、さらに危険なクスリを

使ってしまうことがあるからです。

 

インフルエンザは脳症を起こすから“危険”だ

と勘違いしている人も多いようですが、

致命的な脳症を起こすのは、インフルエンザでなく、

解熱剤であるという情報があります。

インフルエンザの恐怖について語るとき、

スペイン風邪の話が良く持ち出されます。

(感染者5億人、死者は5,000万~1億人と言われ、

世界規模の感染症パンデミック)

このスペイン風邪でさえも、当時、

解熱剤で使われていたアスピリンが

関与していた可能性がみてとれます。

というのも当時のスペイン風邪の死者を解剖したところ、

肺に水がたまるという奇妙な現象が多く見られたからです。

肺水腫は、解熱剤アスピリンの多用によって起きる症状です。

人類初の世界規模のパンデミックは、

人類初の世界規模の薬害だったのかもしれません。

当時の様子は、アルフレッド・W・クロスビー著

「史上最悪のインフルエンザ・

忘れられたパンデミック」にあります。

この記録によれば、

「発症後ほどなく死亡した症例

ときに咳や痛みの訴えが始まって

48時間以内で死に至っていた症例もあった)

での肺の様子はウェルチにとっても初めて見るものだった。

そうした肺組織にはまったくといいほど

硬化は見られなかった。が、異常は明らかだった。

ウェルチが切り出した肺の小片は、

普通なら水に浮くはずのものが、水に沈んでしまった。

所見として特に際立っているのは、

水っぽい血液混じりの液体が

大量に肺に詰まっていたことだった」

スペイン風邪によく見られた死亡患者の肺水腫は、

アスピリンの血中濃度が30 mg/dL

超えると発生しやすくなります。

スペイン風邪が大流行した1918-1919年は、

高容量のアスピリンが処方されていたことがわかっています。

もちろん、戦時中ということもあり、

感染者の栄養不足による死亡も多かったことでしょう。

しかし、通常のインフルエンザの死亡者には他では見られない

肺水腫が多くみられた点は注目に値します。

感染症の専門家カレン・スターコ博士によれば、

1918年当時、製薬会社の強い勧めのままに、

医者はアスピリンの作用機序も適切な処方量も何も知らずに、

助けを求める患者にどんどん使っていたそうです。

インフルエンザの危険性ついて、

専門家が語るとき、いつもスペイン風邪の例が

引き出されますが、

それが解熱剤が引き金を引いた

ことについては語りません。

危険なのは、インフルエンザでなく解熱剤だということが

広く知られてしまうと、お医者さんがやる仕事もなくなり、

解熱剤も売れなくなったしまうからです。

そして、現在もインフルエンザには解熱剤が処方されます。

解熱薬で急に熱を下げてしまうと、ウイルスが増殖します。

ヒトが発熱するのは、

免疫システムを活発に働かせてウイルスや

バクテリアを殺菌するためですが、

解熱剤で熱を下げてしまうと、

免疫システムが働かず、ウイルスがふえてしまい、

増殖したウイルスに対し、

免疫細胞からサイトカインという

タンパク質が過剰に分泌されます。

このサイトカインは、適量ならよいのですが、

過剰なサイトカインは、

血管や脳細胞も無差別に攻撃してしまう

サイトカインストーム(免疫暴走)

という症状を起こします。

これが多くの脳症が起きる仕組みです。

怖いのは、インフルエンザよりも

解熱剤によって引き起こされるサイトカインストームです。

これは小さな子どもに起きやすいので、特に注意が必要です。

サリチル酸系やジクロフェナク、

メフェナム酸といった成分

の入っている解熱剤は、

インフルエンザ脳炎や脳症を引き起こす

危険性が指摘されています

なかでも危険なものは、

スペイン風邪のときに多用されたサリチル酸系です。

市販薬では「アスピリン」や

「サリチルアミド」という名で流通しています

アスピリンは風邪のときにも病院で処方されるクスリなので、

家にあるものをインフルエンザのときに

誤って使うのは危険です

現在では、これらのサリチル酸系の薬剤を小児の発熱に使うのは

危険ということを多くの医師が知っており、

アスピリンやイブプロフェンといった非ステロイド性抗炎症薬 (NSAIDs)

処方されることはまずありません。

代わりに、抗炎症作用のないアセトアミノフェンといった

まったく別の種類の解熱剤が処方されます

ちなみに、インフルエンザが危険視される合併症に

脳炎と脳症がありますが、

これもインフルエンザが起こしているのかは、疑問です。

どちらも原因は不明とされていますが、

「脳炎」は脳内にウイルスが入り込むことで起きますし、

「脳症」は、脳内にウイルスがなく、

自分の免疫が脳を攻撃して起こす症状です。

ウイルスや菌には性質があります。

例えば、水虫の菌は、足や末端の皮膚につきやすかったり、

肝炎ウイルスは肝臓、胃がんと関係するピロリ菌は

胃にとりつきます。

インフルエンザウイルスの場合は、鼻やのどの粘膜です。

そもそも脳で分裂や増殖する性質を持ちません。

ということは、インフルエンザ脳症および、脳炎というものは

(実際に脳炎と脳症の症状は区別がつきにくいそうです)

サイトカインストームによって起きるもので、

解熱剤によるものが多いといえるのではないでしょうか。

もちろん、すべてのケースではないかもしれませんが、

病気そのものより、クスリの方がはるかに危険といえます。

多くの病気がこの調子です。

ガンより抗がん剤が危険だったり、

糖尿病より糖尿病の薬が危険だったり、

高コレストロール値より、コレステロール降下薬が危険だったり、

認知症そのものよりも、認知症の治療薬が危険だったり、、、

病気の症状出た時には、ヒトはワラにもすがります。

普段の健康な時に、カラダや病気のことを知っておくと

安易にクスリに頼ることもなく、対処できるのではないでしょうか。

うちでは子どもが風邪はあまり引きませんが

熱を出したときは、安静に寝かせ、汗をかかせ、

水を飲ませたり、よく様子を見て看病するだけです。

クスリを使うことはありません。

本当に危険なときは、

医師に診察してもらうことも大事だと考えています。