筋活3「運動と毒素による酸化ストレスの違い」

当サイトの読者の方々は、

トレーニングなど、まったく興味ないかもしれません。

「筋トレ」と聞けば、何か若い人やスポーツマン向けの

イメージしか持たない人も多いでしょう。

筋肉が体内で果たす役割や

トレーニングの知られざるメリットを

深く知るまでは、私もそうでした。

THINKER FAMILY HEALTHでは、

人間をトータルな存在として考え、

できるだけ、幅広い視点から健康について

考えたいと思います。

そこで、筋肉です。

筋肉と運動について、無知であることは

後に健康面に大きな痛手を負うことにもなります。

そこで、このテーマについては

少し詳しく書いていきます。

筋肉は、ただ重いものを持つための組織ではありません。

姿勢や内臓の位置を正しく保持したり、

ホルモンの分泌に関わり、全身のバランスを整えたり、

水分量を保持するなど、見えない所で

さまざまな重要な機能を担っています。

筋肉に大きな負荷をかける運動は、

筋トレ、ウエトレなどと呼ばれますが

正式には、「レジスタンス・トレーニング」と呼ばれます。

適切なレジスタンス・トレーニングは、

長寿科学の分野で、高齢者にも勧められるもので

慢性病予防や改善効果が認められている手法です。

レジスタンス・トレーニングは、

毒やストレスや精神的なうつ症状や

糖質中毒に打ち克つ方法としても

薬剤も使わず、副作用の心配もなくできる

非常に効果的でパワフルな選択肢といえます。

必要なのは“やる気”だけです。

体を動かすことに興味のない人でも、

早く老化して病気になることを望む人はいないと思います。

情報として、知っておくだけでも有用なこととおもいます。

毎瞬毎瞬、呼吸している

私たちは、酸素による酸化ストレスに

常にさらされています。

呼吸で摂り込まれる酸素のうち、

2%は活性酸素に変わるとされます。

活性酸素は体内の異物を殺菌するなど、

大事な役割を担う一方で、遺伝子を傷つけ、

細胞を損傷してしまう万病の元でもあります。

そこで、体内の全ての細胞は、

活性酸素の毒性を中和する強力な物質を備えています。

それが「グルタチオン」です。

レジスタンス・トレーニングは、

このグルタチオンの生成を促します。

運動は活性酸素を出すから健康に良くない

という情報もありますが、これは一面的な捉え方です。

トレーニングの時に発生する活性酸素も、

農薬や放射能や殺虫剤や各種添加物など、

外部から摂り込まれた「フリーラジカル」

(電子的に不安定な状態にある有害物質)

から生まれる活性酸素も、もちろん同じ活性酸素です。

しかし、運動やエクササイズによって生まれる酸化ストレスは、

一時的、かつ、コントロールされた生理現象であるため、

カラダがこの刺激に適切に対応します。

運動のときは、大量の酸素を吸うため、

一時的に大量の活性酸素が発生します。

それを還元(中和)するためにグルタチオンが消費され、

細胞内のグルタチオン量は一時的に減ります。

しかし、このとき同時に、急激な酸化ストレスに対応するために

細胞はさらに多くのグルタチオンを合成するように働きます。

運動(筋肉への働きかけ)による酸化ストレスは、後に

多くのグルタチオンを生成させるのです。

一方、外部から摂り込まれる様々な汚染物質による

酸化ストレスは、ダラダラ続く、慢性的なものだったり、

その量もまちまちだったり、偶然に大きく左右される要素

を多く含んでいます。

これらの活性酸素にも、グルタチオンが対処しますが、

後により多くのグルタチオンが生成されるような

良い刺激にはなりません。

むしろ、貴重な抗酸化物質が食いつぶされるだけで

終わり、害にしかならないわけです。

運動と毒素では、生み出される活性酸素は同じでも

後で起きる健康効果はまったく逆だといえます。