最近、太った小学生を公園やお店などで、よく見かけます。
私が子どもの頃(昭和50年代)には、
肥満の子はクラスに一人いるかいないか
だったと記憶しています。
ここ数十年で、何が変わってこのような事態が起きているのでしょう。
アメリカ人に肥満が多いことは周知の事実ですね。
私が30年ほど前に一年間、過ごしたアメリカでは
太った人が多くて、ビックリしました。
ハリウッド映画のイメージを抱いていたら、
現実とのギャップに驚きます。
小学生の肥満児もよく見かけましたし、
高校生でも女の子に肥満が多く、
中にはドア幅ほどある超肥満・スーパーファット
も2,3名いました。
一見普通に見える子でもよく見ると、軽肥満の子ばかりで、
本当にスタイルの良い子は、際立って見えたものです。
何がアメリカで肥満を増やし、今の日本でもそうさせているのか?
この元凶はズバリ二つ。
筆頭は、「HFCS」
ハイフラクトース・コーンシロップの略で
日本では、コーンシロップや高果糖ブドウ糖液糖
などと呼ばれます。
※高果糖ブドウ糖液糖の意味:コーンシロップは、
果糖以外にブドウ糖も含むのでこのように呼ばれます
もう一つは、みなさんおなじみの
「グルタミン酸ナトリウム(アミノ酸調味料)」
アメリカでは、通称MSG (Monosodium Glutamate の略)と呼ばれる
化学調味料。日本では、単に調味料(アミノ酸)という表記です。
一般には、砂糖や炭水化物の摂りすぎと代謝不足が
肥満の原因とされますが、
そのさらに奥にある原因が、この二つです。
二つとも川柳にすると、覚えやすいですね。
「さとうより こどもにわるい 高果糖」
「さとうより こどもにわるい エムエスジー」
どちらもほとんどの加工食品、冷凍食品、
ジュース、お菓子に入っていますから
今の平均的な日本人でも相当量摂っていることでしょう。
とういうのも、
アメリカ人のHFCSの一人当たりの年間消費量が
64ポンド、30キロ弱と言われます。
日本はまだまだ、そこまで追いついていないでしょうが、
今の日本の子どもの肥満の増加や、大人の隠れ肥満、
糖尿病の右肩上がり増加率をみると、
年間消費では、一人当たり、キロ単位で食べているでしょう。
1997-2002 690万→740万人 年間10万人ペースで増加
2002-2007 740万→890万人 年間30万人ペースで増加
2007-2012 890万→950万人 年間12万人ペースで増加
(糖尿病実態調査より)
高果糖ブドウ糖液糖とアミノ酸調味料の
どこか、どう悪いのでしょう?
まず、高果糖ブドウ糖液糖からです。
UCLAの小児肥満の専門家、ドクター・ロバート・ラスティグは言います。
”HFCS高果糖コーンシロップは、あらゆる毒素を含んでいる”
「食べたら、即、肥満直行」ということです。
砂糖のような糖分から生まれるブドウ糖・グルコースは
脳のエネルギーとなります。
一方、コーンシロップに含まれる「精製フラクトース」は
脳のエネルギーにも利用できず、
体にとって毒でしかないので
肝臓に直行し、毒として処理されます。
しかし、肝臓の処理が追い付かないレベルで
どんどん高果糖の入ったジュースを飲み続けると
処分できなかったフラクトースは
どんどん、脂肪に変わっていきます。
2009年のJCIジャーナル誌
(American Society of Clinical Investigation)
で取り上げられた研究によると、摂取カロリーの4分の1を
グルコースからフラクトースに変えるだけで、
お腹周りの脂肪(内臓脂肪)が4倍に増加したとあります。
一方のMSG。
自己免疫疾患の医療ジャーナル誌
Journal of Autoimmunity で発表されたところによると、
アミノ酸調味料の主成分
グルタミン酸ナトリウムが肝臓に炎症を起こし、
脂肪肝を引き起こすことが、マウスやラットの実験で
示されています。
グルタミン酸は神経を過剰に興奮させる
興奮毒性をもつため、脳にも悪いのですが
さらには、肝臓にも悪いということです。
さらに、グルタミン酸調味料の摂りすぎは、
際限のない異常な食欲を起こさせ、
子どもに食べ過ぎを起こさせます。
多くの加工食品は、もともとビタミンやミネラルが不足した
安い食材に偽物の味をつけただけのシロモノ。
質の良いタンパク質も脂質も不足しています。
足りているのは糖質のカロリーだけ。
ミネラルやビタミンも不足したまま。
これらの栄養素をカラダは欲し続け、さらに食べ続け、
栄養素のないものをたくさん食べても、
カラダは消化も代謝もできません。
余分に脂肪がつくだけです。
いまや、コーンシロップもグルタミン酸ナトリウムも
無制限で食品に入っています。
砂糖なら、一応は脳のエネルギーとして
効率は悪くとも一時的に利用されます。
しかし、HFCSやMSGは、脳にも役にたたないばかりか
毒として働き、両方とも肝臓に悪い毒です。
今後はさらに消費税上がり、
日本の不景気が続くため、安い食品が売れる傾向が強まります。
すると、100円ショップなどのどこで作られたかわからない
外国のお菓子を子どもたちがどんどん
食べさせられることにもなるでしょう。
もちろん、そこに入っているのは、
これまで通りの砂糖ではなく、
これまであまり目にしたことのないHFCSです。
HFCSの入ったお菓子や飲み物やジュースを
食べ続ける子どもは肥満になり、
やがて、小児糖尿病を発症していきます。
HFCSは、消費者にばれないように食品産業が
名を変え、品を変え、様々な加工食品に潜り込ませています。
コーンシロップや高果糖ブドウ糖液糖以外の名前では、
フルーツフルクトースシロップ、グルコースシロップ、
メイズシロップ、ダリアシロップ、フラクトースシロップなどです。
MSGも同様です。
調味料(アミノ酸)の他、香辛料、香辛料抽出物、スパイス、
大豆たんぱく分離物、タンパク加水分解物、植物性タンパク質、
カゼイン、酵母エキスなどなど。
親や周りが気づけば、救われる子どももいるでしょう。