今回の新型コロナウイルスもそうですが、
過去に恐れられた新型のコロナウイルスの
SARSもMERSも新型インフルもすべて、
死亡者の多くにサイトカイン・ストームが起きた
形跡が発見されています。
ウイルスによって刺激された患者の
免疫系が過剰に反応してしまい、
自分自身の脳や肺などの臓器を攻撃し、
死因となる脳症や肺水腫を起こしていたのです。
現代の多くの人の免疫系は、正常に機能していません。
もともと遺伝的に免疫系に異常を抱えている人もいれば、
病気を抱えていたり、栄養不良の状態にあったり、
加齢による高齢で、免疫が弱っています。
人体は免疫が弱っていると、免疫システムのうち、
まだ元気に機能できる他の部分が過剰に反応して
免疫力の不足を補うようになっています。
サイトカイン・ストームは、生まれつきの体質、
ウイルスなどの外敵や刺激に対し、
免疫が過剰反応してしまう遺伝的要因のほか、
解熱剤(一部の鎮痛剤)や
過去に接種したワクチンが原因でも起きます。
中でもとくに気をつけたいのは、解熱剤。
解熱剤で一部の免疫機構を極端に抑えてしまうと、
別の免疫機構を暴走させることになります。
サイトカイン・ストームのような免疫暴走を起こさない
解熱剤は、アセトアミノフェン系のものです。
そのため、小児用解熱剤として推奨されるのは
アセトアミノフェノン系だけです。
その他の種類、ロキソニン、アスピリンなどの解熱剤は、
サイトカイン・ストームを起こすリスクがあります。
これらの解熱剤は、小児やまだ免疫が強く働く
若い人には危険です。
大阪市大の研究でも、解熱や痛み止めに処方される
ロキソニンのような「非ステロイド性抗炎症剤」が、
サイトカインによる薬剤性小腸傷害を起こすことを
内視顕微鏡で確認されています。
危険なのはウイルスでなく、クスリの乱用。
新型ウイルスは、常にどこかで発生するもの。
本当のリスクはもっと身近にあるのです。
避けるべきは、クスリやワクチンの乱用で、
自分の免疫システムを乱してしまうことなのです。
新型コロナウイルスって怖いの!?(5) ―サイトカインストーム説に否定的な医学界 に続く